著者
藤本 浩一
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Journal of the Faculty of Human Sciences, Kobe Shoin Women's University = 人間科学部篇 : JOHS (ISSN:21863849)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-16, 2017-03

中高教職課程履修生1 回生21 名にインクルーシブ教育についての3 つの質問を行った。Q1もしもあなたが教師3 年目で、担当するクラスに発達障害児童生徒がいたらどう思いますか。また、あなたはどんな心配や悩みがありますか。自由に記述して下さい。Q2 もしもあなたが健常児童生徒の保護者なら、自分の子どもが発達障害児童生徒と一緒に教育を受けることをどう思いますか。自由に記述して下さい。Q3 発達障害児童生徒にとって、健常児童生徒と一緒に教育を受けることについて、自由に記述して下さい。学生たちは調査のために、3 回の発達障害授業の前後に質問に回答し、調査結果として、事前・事後の比較による検討が行われた。彼らの自由記述は、KHcoder というソフトによって解析され、それぞれの共起ネットワークを比較した。学生たちは事前調査では発達障害児をどう扱うかを心配していたが、授業後には、対象児への理解や相談によって子どもたちが成長する重要性に気づいた。学生たちは3 回の授業によって、発達障害についての適切な知識と理解を得た。このことは彼女らが3 人称から2 人称の気持ちに変化したことを示している。
著者
藤本 浩一
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Journal of the Faculty of Human Sciences, Kobe Shoin Women's University = 人間科学部篇 : JOHS (ISSN:21863849)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-8, 2016-03

本研究は認知的/非認知的能力と学業成績の関係を検討した。70 名の女子大学生が順唱、逆唱、語音整列、謎かけ、類推テストの5 つの認知的テストを受けた。非認知的能力を検査するために、エゴグラムが実施された。認知的能力に関する結果は、短期記憶を測る順唱、ワーキングメモリを測る逆唱と語音整列は学業成績と有意な相関がなかった。謎かけと類推テストも学業成績と有意な相関がなかった。エゴグラムの2 つの状態が学業成績と有意な相関があった。FC(フリーチャイルド)は学業成績と負の相関があった。FC は規則や制限に注意を払わず、自然の本能に従う。他方で彼らは無邪気でイマジネーションに溢れ、強い好奇心を持つ。しかし彼らはまた自己中心的で感情的である。A(アダルト)状態は学業成績と少しだけ有意な相関があった。A は物事を事実に基づいて合理的に考える。以上より、誘惑を適度に抑えて欲求を制御し、長期計画に基づいて合理的判断を下すことが、学業成績を向上させる上で必要であると結論づけられた。学業的満足遅延(ADOG)が言及された。The present study examined the relationship between cognitive/non-cognitive ability and academic grades. 70 first-year female undergraduates has conducted 5 tests of cognitive ability such as Digit-Span, Backward Digit Span, Letter-Number Sequencing, Particular Type of Riddle, and Analogy Test. To assess non-cognitive ability, Egogram(EG)test was conducted. The results on cognitive ability showed that Digit Span, evaluating short-term-memory, and Backward Digit Span as well as Letter-Number Sequencing, evaluating working memory, did not indicate significant correlation with academic grades. Particular Type of Riddle and Analogy Test also did not have correlation with academic grades neither. Two states of Egogram had significant relation with academic grades. FC(Free Child)had a significant negative correlation with academic grades. "FC" pays no attention to rules and constraints, and has natural instincts. On the one hand, they are innocent, full of imagination and have strong curiosity, but they are also self-centered and emotional. A(Adult)state indicated a slight significant correlation with academic grades. "A" judges things on the basis of facts rationally. It was concluded that controlling desire to temptation properly and rational judgment based on long-term prospect are necessary to improve academic grades. The Academic Delay of Gratification(ADOG)was mentioned.